
「18歳になったら、こどもNISAの商品はいったん売られる?」「親がそのまま管理してよい?」と気になっている方へ。
先に結論をお伝えすると、こどもNISAは18歳を迎えたからといって、保有商品を売却して作り直す制度ではありません。金融庁は、特段の手続きをせず成人後のつみたて投資枠へ自動移行する仕組みと説明しています。非課税期間も無期限です。
ただし、「18歳の誕生日当日に投資枠が切り替わる」とは限りません。NISAの年齢区分は、その年の1月1日時点の年齢が基準です。また、18歳からは本人が契約や資産管理の主体になるため、証券会社のログイン・本人確認・積立設定・出金先口座を親子で引き継ぐ準備が必要です。
この記事では、18歳前後で変わること、変わらないこと、大学費用に使う場合の考え方を、財務省・金融庁・法務省の公表資料に沿って整理します。
まず確認:18歳で変わること・変わらないこと

| 項目 | 18歳前後の扱い |
|---|---|
| 保有している投資信託 | 自動移行のために売却する必要はない |
| 非課税期間 | 成人後も無期限 |
| 年間投資枠 | こども向け60万円から、成人向けのつみたて投資枠120万円へ |
| 成長投資枠 | 成人向けNISAでは年240万円を利用可能 |
| 非課税保有限度額 | こども向け600万円から、成人向けNISA全体の1,800万円へ移行 |
| 口座の名義 | 最初から子ども本人の名義。18歳で親から贈られるわけではない |
| 口座の管理 | 親権者中心の管理から、成人した本人中心の管理へ |
金融庁の資料では、0~17歳の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。18歳以上は、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、両枠を合わせた非課税保有限度額が1,800万円です。
ここで注意したいのは、こどもNISAの600万円が、成人向けの1,800万円とは別に上乗せされるという説明ではないことです。金融庁は「自動的に移行・1,800万円」と案内しています。現在保有している商品の取得価額や、成人後に使える残り枠は、口座画面と証券会社の案内で確認してください。
出典:金融庁・アクセスFSA第270号、財務省・令和8年度税制改正の大綱の概要
18歳の誕生日ではなく「1月1日の年齢」で考える
その年の1月1日に18歳未満なら、その年はこども向けの区分
財務省の税制改正大綱では、未成年者向けの勘定を設けられるのは「その年1月1日において18歳未満である年」とされています。成人向けNISAも、利用する年の1月1日時点で18歳以上であることが基準です。
たとえば、2035年6月に18歳になる場合、2035年1月1日時点では17歳です。この場合、2035年はこども向けの年齢区分となり、2036年1月1日から成人向けの区分になるのが基本です。
| 生年月日の例 | 2035年1月1日の年齢 | 2035年の区分 |
|---|---|---|
| 2017年1月1日生まれ | 18歳 | 成人向けNISA |
| 2017年1月2日生まれ | 17歳 | こどもNISA |
| 2017年6月15日生まれ | 17歳 | こどもNISA |
誕生日を迎えた瞬間に、年間投資枠が60万円から360万円へ途中変更されるわけではありません。積立設定の切替日や、成人向け商品を注文できる日は証券会社の運用によって案内されるため、18歳になる年の前年末までに確認しておくと安心です。
保有商品は自動で成人後のつみたて投資枠へ移る

ロールオーバーの申込みは不要
旧ジュニアNISAでは、非課税期間が5年間に限られ、保有を続けるための継続管理勘定という仕組みがありました。こどもNISAは非課税期間が無期限で、金融庁は18歳になった際に特段の手続きを要せず、成人後のつみたて投資枠へ自動移行すると説明しています。
そのため、移行だけを理由に次のことを急ぐ必要はありません。
- 18歳になる前に全商品を売る
- 同じ商品を成人NISAで買い直す
- 親から子へ名義変更する
- 旧ジュニアNISAのようなロールオーバーを申し込む
こどもNISAは最初から子ども本人のNISA口座です。18歳で「親の資産を初めて子どもへ渡す」のではなく、本人名義の資産について、管理の主体を本人へ引き継いでいくと考えるほうが分かりやすいでしょう。
値上がりしていても、移行のための売却は不要
保有商品が値上がりしていても、自動移行のために利益を確定する必要はありません。反対に、進学費用などで現金が必要なら、移行とは別に売却時期を考えます。
「制度が変わるから売る」と「使う予定が近いから売る」は別の判断です。必要時期が近いお金は、相場が下がる前提も含めて、数年前から預金などへ移す計画を立てましょう。
18歳からは本人が口座管理の中心になる
法務省は、成年年齢には「一人で有効な契約をできる年齢」と「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があると説明しています。18歳になると、本人は親の同意なしに契約できる一方、その判断にも責任を持つことになります。
こどもNISAの資産は、親が積立設定や画面確認をしてきた場合でも、口座名義人である子どもの資産です。成人後も親が当然に本人のログイン情報を使い続けられるとは考えないでください。
証券会社によって必要な切替手続きや案内時期が異なる可能性があります。現時点で各社の成人移行に関する操作手順が出そろっていない場合は、次を最新案内で確認します。
- 本人用メールアドレス・電話番号への変更
- 本人確認書類やマイナンバー情報の再確認
- ログインID・パスワード・二要素認証の引き継ぎ
- 本人名義の出金先銀行口座の登録
- 親権者による取引権限の終了時期
- 積立契約と引落方法がそのまま続くか
- 成人向けの成長投資枠を使う場合の設定方法
18歳になる前に親子で確認したい5つ

1.何のために積み立てたお金か
大学費用、留学、成人後の生活準備など、親が考えていた目的を本人へ伝えます。「残高がいくらあるか」だけでなく、「いつから、何を目的に、毎月いくら積み立てたか」も共有しましょう。
2.どの商品を持ち、どのように値動きするか
商品名だけでなく、国内外のどこへ投資しているか、元本保証ではないこと、価格が下がることも説明します。本人がすぐ売却したい場合も、親の希望だけで止めるのではなく、使い道とリスクを一緒に確認します。
3.いつ使う予定か
大学入学金など期限のある支出に使うなら、売却注文から受渡し、銀行への出金まで日数がかかります。支払日の直前まで全額を投資に置くと、値下がりと手続き遅れが重なるおそれがあります。
4.本人が口座へ安全にログインできるか
親のメールアドレスや電話番号だけで認証している場合は、証券会社の正式な方法で変更します。IDやパスワードを家族のチャットへ貼ったり、同じパスワードを使い回したりしないようにしましょう。
5.成人後の積立を続けるか
成人後は年間投資枠が広がりますが、上限まで使う必要はありません。進学直後は収入や生活費が安定しないこともあります。本人の家計で無理なく続けられる金額を改めて決めます。
毎月の金額を考え直すときは、こどもNISAは月いくら?積立額と教育費の考え方も参考にしてください。
大学費用に使うなら「18歳で自動移行」と「売却」を分ける

18歳前後は、大学入学や一人暮らしなど、大きな支出が重なりやすい時期です。自動移行できるからといって、全額を運用し続ける必要はありません。一方、18歳になるからといって、全額を売る必要もありません。
たとえば、次のように分けて考えられます。
| お金の使い道 | 考え方 |
|---|---|
| 1年以内の入学金・授業料 | 値下がりを避けるため、早めの現金化を検討 |
| 2~4年後の学費 | 必要額と相場変動を見ながら段階的に現金化 |
| 卒業後・独立後に使う資金 | 本人が目的とリスクを理解したうえで運用継続も選択肢 |
売却の正解は一つではありません。必要額、支払日、預金で用意できている金額、本人の収入見込みを確認し、「必要な分だけ売る」「数回に分ける」「長く使わない分は残す」といった方法を検討します。
旧ジュニアNISAの18歳後とは別の仕組み
こどもNISAと旧ジュニアNISAは、名前が似ていますが別制度です。
| 比較 | こどもNISA | 旧ジュニアNISA |
|---|---|---|
| 新規買付 | 2027年から | 2023年で終了 |
| 非課税期間 | 無期限 | 原則5年。終了後は継続管理勘定の仕組みあり |
| 18歳後 | 成人後のつみたて投資枠へ自動移行 | 保有年・継続管理勘定などにより扱いを確認 |
| 直接移せるか | 制度内で成人向けへ移行 | 旧ジュニアNISAの商品を新しいNISAへ直接移すことはできない |
旧ジュニアNISAの商品を持っている方は、ジュニアNISAは終了後どうなる?こどもNISAとの違いをご覧ください。
口座を開く会社は、成人後の使いやすさも比べる
18歳まで長く使う可能性があるため、未成年期の申込みだけでなく、本人への引き継ぎや成人向けNISAの管理画面も比較材料になります。




各社の具体的な成人移行手続きは、今後の公式発表で変わる可能性があります。現在の未成年口座の仕組みだけから、新制度の操作方法を断定しないことが大切です。
こどもNISAの18歳後についてよくある質問
18歳になったら自動的に売却されますか?
いいえ。金融庁は、保有資産が成人後のつみたて投資枠へ自動移行する仕組みと説明しています。移行だけを理由に売却する必要はありません。
18歳の誕生日当日から年間360万円を投資できますか?
誕生日当日の切替ではありません。年齢区分はその年の1月1日時点で判断します。成人向けの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円ですが、実際の設定可能日は証券会社の案内を確認してください。
こどもNISAの600万円は、成人NISAの1,800万円と別枠ですか?
金融庁資料は、18歳で成人向け制度へ「自動的に移行・1,800万円」と示しています。600万円が別枠で上乗せされ、合計2,400万円になるとは案内されていません。本人の取得価額と残り枠は口座画面で確認しましょう。
18歳以降も親が取引できますか?
18歳からは本人が契約の主体となり、親権にも服さなくなります。親が従来どおり操作できると決めつけず、証券会社が案内する本人への引き継ぎ手続きを確認してください。
成人後も同じ投資信託を積み立てられますか?
保有商品の自動移行と、成人後の新規積立設定は分けて確認します。成人向けつみたて投資枠の対象商品であること、積立契約が継続すること、引落方法が利用できることを証券会社で確認してください。
18歳になったら、すぐ大学費用へ使えますか?
売却・受渡し・出金には日数がかかります。また、必要時期に値下がりしている可能性もあります。支払期限から逆算し、必要な分を早めに現金化する計画を立てましょう。
途中で証券会社を変えられますか?
成人向けNISAでは金融機関の変更が年単位で可能ですが、その年にすでに買付けをしている場合など条件があります。保有商品がそのまま他社のNISAへ移るわけではないため、変更前に両社の案内を確認してください。
まとめ:自動移行より大切なのは、本人への管理の引き継ぎ
こどもNISAは、18歳を迎えたからといって商品が自動売却される制度ではありません。非課税期間は無期限で、特段の手続きをせず成人後のつみたて投資枠へ移行する仕組みです。
一方、18歳からは本人が契約と資産管理の中心になります。親が準備してきた目的、保有商品、値動きのリスク、ログイン方法、使う予定を、本人が判断できる形で引き継ぐ必要があります。
「制度上、自動で移るから何もしなくてよい」ではなく、18歳になる前年から、証券会社の最新案内と親子の使い道を一緒に確認しておきましょう。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の投資・税務・法律判断を勧めるものではありません。投資信託には元本割れのリスクがあります。制度と各社の手続きは変更される可能性があるため、最新の公式情報をご確認ください。
参考にした公式情報
こどもNISA比較ナビは、子どもの将来を考える保護者向けに、こどもNISAの制度と証券会社の情報を整理する比較メディアです。金融庁・財務省・各証券会社の公式サイトではありません。
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